コミュニティの終焉

ブルースやジャズ、ロック、という音楽は、もともと出来合いのコミュニティーからはじかれたところから出てきた音楽です。


既存の社会が良かったためしはなく、社会は弱者の味方だったこともありません。
今もない。


既存の社会は間違っている。
そういう前提で、ブルースやジャズやロックは生きてきたはず。


そしてここ数年、不幸なことに、アウトサイダーとしての音楽は昔よりも切実に必要とされつつあります。


現在、ロックやジャズそのものがひとつの既存の腐ったコミュニティーになってしまって、アウトサイダーたる看板を下ろしてしまいました。


しかも表向きのかっこいい看板はもうそのデザインを出し尽くしてしまったので、我々は古びた看板を拾い集めて、ロックスピリッツを再生させなければならないという難しい時代に生きています。


本来、コミュニティーというのは、そこに住む人の生活を支え、安心と安全を担保するものであるべきものです。
だけどニンゲンのやることはいつもロクなもんじゃない。
アウトサイダーは、未来永劫、そこで孤独な闘いを強いられるんでしょう。


たぶんロックな時代がまたやってくる。


だけどそれは本当は悲しいことかもしれません。